糖尿病のある方の新型インフルエンザ対策(患者・一般向け・医療関係者向け)(国立国際医療センター)

患者・一般向け情報

 CDC(米国疾病予防管理センター)によると新型インフルエンザ(H1N1)ウイルスに感染した場合、重症化するリスクの高い方(ハイリスク群)は、現時点では季節性インフルエンザの場合と同様と考えられています(末尾リンク参照)(このハイリスク群の定義は今後より多くの疫学的および臨床的データが得られると変更される可能性があります)。

(1)一般的注意
 一般の方と同様、インフルエンザの流行時には、手洗いやうがいの励行、人混みへの外出を避ける、マスクの着用、といった注意事項に従うことが必要です。また、糖尿病の方は、常日頃、血糖コントロールを良好に保つよう糖尿病治療を行うことに加えて、毎年予防接種を受けるなどの十分なインフルエンザの予防対策をとることが重要です。

(2)シックデイ
 インフルエンザに限らず、糖尿病の方は感染症にかかると血糖値がいつもより上昇することがあります。インスリン治療を受けている方では、病気になり食事量が通常より少なくなったからといって、自己判断でインスリン注射をやめると、重篤な状態に陥ることもあり危険です。
 糖尿病があって体調を崩された場合、すなわち、このようないわゆる「シックディ」の時にはとくに留意が必要であり、注射や内服を含めどのように対応するか、主治医の指示を得ておいて下さい。

(3)今回の新型インフルエンザについて
 糖尿病の方は、免疫反応が低下しており、ウイルスや細菌に対する感染防御機構が破綻しやすいため、感染症にかかりやすく、感染が悪化しやすいと考えられます。そのため糖尿病がある方では、慢性肺疾患、心血管疾患、腎疾患、肝疾患、血液疾患、神経疾患、神経筋疾患などがある場合と同様に、全般的にはインフルエンザのハイリスク群とされています。
 しかし、糖尿病があっても血糖コントロールが良好で、心血管疾患や腎疾患などの合併症や、上に述べた肺疾患、心血管疾患などがない方のリスクは比較的低いと考えられますので、糖尿病でない方と同様の対処、対応でよいと考えられます。一方、HbA1cが高値で血糖コントロールがよくない方、合併症のある方、高齢の方は重症化する可能性があり、注意が必要です。糖尿病でありながら放置している人も、ご自身のリスクが見過ごされていると考えられ、要注意です。

(4)主治医に連絡を
 もし、感染が疑われる症状がみられた場合には、新型インフルエンザを想定しての対応と、シックデイに関しての対応が必要となりえます。早めにかかりつけの主治医に相談するようにして下さい。
 身近に新型インフルエンザに罹患した方がいらっしゃる場合、また、発症者と濃厚な接触があったと考えられる場合には、ご自身の症状に注意を払い、変化があったと思われるときには早めに医療機関に相談され、抗ウイルス薬の投与を含めて検討して頂いて下さい。

(5)新しい情報に注意を
 上記の情報は現時点のものです。今後、随時状況が変わったり、情報が追加されたりする可能性がありますので、最新情報にご留意下さい。。


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