■学術論文

【論文名】
Noto H, Heller JH: Vitamin D deficiency as an ignored cause of hypocalcemia in acute illness: Report of 2 cases and review of literature.
Open Endocrinol J 3:1-4, 2009

【日本語抄録】
ビタミンD欠乏症 - 急性疾患における低カルシウム血症の忘れ去られた要因
:2症例報告と文献レビュー

【目的】ビタミンD欠乏症により低カルシウム血症を来たしたICU入院中の2症例について臨床的所見・検査所見・治療への反応を報告し、文献レビューも行う。
【症例報告】最初の症例は脳卒中のために入院した。血液検査所見は、血清カルシウム 7.6mg/dl, intact PTH 891.6pg/ml, 25-hydroxyvitamin D (25-OH-D) 7ng/ml (17.5nmol/l), 1,25-dihydroxyvitamin D (1,25-OH-D) 43pg/ml (103.2nmol/l)であった。心電図検査ではQTc間隔が494msecであった。2番目の患者は播種性サイトメガロウイルス感染症の治療のために入院した。血液検査所見は、血清カルシウム 7.7mg/dl, クレアチニン 4.3mg/dl, intact PTH 207.5pg/ml, 25-OH-D <5ng/ml (<12.5nmol/l), 1,25-OH-D <10pg/ml (<24nmol/l)であった。心電図上QTc間隔は505msecであった。カルシウム剤とエルゴカルシフェロールの投与と原疾患の治療により上記異常所見は正常化した。両症例とも臨床経過は良好であった。
【考察・結語】ビタミンD欠乏症は有病率が高いにもかかわらず低カルシウム血症の原因として見落とされがちである。治療は容易であるが治療されなければ生命に重篤な病態につながるため、急性期においても低カルシウム血症の原因としてビタミンD値を測定することが重要である。

【リンク先】
The Open Endocrinology Journal