糖尿病情報センターとは、国立国際医療センター戸山病院内に設置された、わが国の糖尿病情報の発信センターです。
1. 糖尿病の現状
糖尿病は、適切な生活習慣や治療により合併症の重症化を防止することが可能な病気です。しかし自覚症状がないからと放置したり、検診をうける機会を逸して適切な治療ができないと網膜症、腎症、神経障害、脳卒中や急性心筋梗塞などの合併症がでて進行し、失明、透析、足の切断、などの合併症をおこしたり、命をうばわれたりしてしまう恐ろしい病気です。糖尿病は食生活や運動習慣などの生活習慣の変化や、高齢化に伴い、増加を続けています。厚生労働省「糖尿病実態調査」(平成19年度)によると、糖尿病が強く疑われる人は約890万と過去5年間に約150万人増加しているとともに、糖尿病の可能性が否定できない人は約1320万人で過去5年間で約440万人増加しています。世界各国でも糖尿病は増えており、地球規模で糖尿病対策が求められています。
2. 糖尿病などの生活習慣病対策への厚生労働省のとりくみ
厚生労働省は、糖尿病などの生活習慣病対策を重要な課題と考えています。糖尿病の予防・治療については、学校、職場、保健所などにおける活動、各地域で初期診療を行う医療機関の活動、専門的な診療を行う医療機関の活動など、数多くの人と組織の連携が欠かせません。また、各地域において、効果的・効率的に生活習慣病対策を実施し、いつでもどこでも質の高い活動を行うためには、これら生活習慣病対策の担い手によい学びの場を提供することが重要です。そこで厚生労働省は国レベルの機関として国立国際医療センター(糖尿病に係る研究・診療)、国立循環器病センター(脳卒中、急性心筋梗塞に係る研究・診療)、独立行政法人国立健康・栄養研究所(生活習慣病の予防に関する研究)、国立保健医療科学院(生活習慣病対策に携わる職員等に対する研修や疫学研究)の4つの施設と小児期からの対策をになう国立成育医療センターに国としての糖尿病等の生活習慣病対策の中核としての役割を担うよう答申を行いました。また各都道府県に対しては、各県の作成する医療計画のなかで糖尿病の予防・治療について地域における医療連携体制を整えることとし、国レベルの4つの中核機関が、各都道府県における生活習慣病対策を地域の専門医療機関とも連携しつつ支援するという体制の構築をはじめています。
3. 糖尿病情報センターに求められるもの
糖尿病診療の均てん化と糖尿病に関する全国の医療水準の向上をすすめるためには、糖尿病に関する情報の提供および技術的支援を行う体制の整備が望まれます。そのような要請をうけて、糖尿病情報センターは国立国際医療センター内に平成20年10月1日付けで設置されました。
当情報センターの果たすべき役割は、①情報登録・発信機能と②研修支援機能に集約されます。①情報登録・発信機能に関しては、(1)医療機関情報、地域連携パスに関する情報を収集しこれを発信する
(2)倫理面に最大限の配慮をしつつ糖尿病情報についての登録をおこない、登録データを集約・分析する
(3)医療者むけ糖尿病論文情報等を収集・登録・公開する ことを、②研修支援機能に関しては、糖尿病に関わるメディカルスタッフに対する研修会を企画・開催することを主たる使命として活動しております。

■ご利用に当たってのご注意■
